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携帯電話

2000/04/15


昨年の夏、友達とキャンプに行った時の事です。

みんなで、わいわい騒いで夕食も終わりお酒もたらふく飲んで”そろそろ寝ようか”と言う事になりました。
みんな、お酒が入っていたので直ぐに就寝しました。

何時間かして、気持ちよく寝ていると、

「ピピピピピッー」

と自分の携帯電話がなりました。みんな、ぐっすり寝ているので小声で、

「もしもし」
「....。」
「もしもし。誰?」
「あのぉ、佐藤さんですか?」
「違いますよ。」
「プツッ」

間違い電話でした。なんか疲れ切ったおじさんの声でした。

「こんな夜中に間違い電話かよ。さあ、寝よ寝よ」

気を取り直して、再び、眠りにつきました。

「ピピピピピッー」

携帯電話が鳴り、再び起こされました。

「もしもし」
「あのぉ、佐藤さんですか?」
「違いますよ。」
「プツッ」

「また、あのおやじだよ。いい加減にして貰いたいよな。」

多少腹が立ちましたが眠いので再び寝ました。すると、また暫くして、

「ピピピピピッー」

と携帯がなります。完全に頭に来ました。

「もしもし。誰!」
「あのぉ、佐藤さんですか?」
「お前、何回間違ってるんだよ」
「プツッ」
「あの野郎切りやがった。」

非常に頭に来たので、携帯の電源を切って寝ました。

翌朝、

「昨日、おやじの間違い電話が何回もあって寝れなかったよ」

と朝食を食べながら愚痴を言いましたが、みんなは”あそっ”て感じで取り合ってくれませんでした。

今回のキャンプは、とても楽しかったので”もう1泊しよう”と言うことになりました。
それじゃあ一言家に連絡しておこうと携帯電話で家に電話しました。
しかし、電話は通じません。なぜなら、”圏外”だったからです。

「あれ、圏外だよ。夕べ、間違い電話があんなに掛かってきたのに」
「お前寝ぼけてたんじゃないの」
「そんことないよ。じゃぁ、着信履歴見てみようか」

着信履歴を見ました。そこには、

”18日03:00 しにん 00000000000”

と入っていました。

みんな、朝食を取った後、急いで撤収作業を行いお日様のたかいうちに帰りました。