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49話



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一反もめん

 


 

体育の時間、みんなで校庭に出ていた時の事です。

全員整列して先生の話を聞いていた時、一人の生徒が、

「あそこに何か飛んでる。」

と言いその場所を指で指し示しました。

その方向を全員で見ると白いものがヒラヒラと浮かんでいます。
最初は、強風にあおられたタオルや紙等の部類と思いましたが、今日は天気は良いのですが強風が吹いているとは思われません。校庭ではほとんど風が吹いていないしその白い物体以外のものが舞っている形跡は有りません。
第一、その白いものはその部分に静止している様だったのです。

わたしが見た印象は、タオルが縦に吊されて風にあおられてヒラヒラとなびいている様に見えました。
みんなが自分の話を聞かず横を向いているのに怒った先生が

「何をやってる」

と怒鳴りますが、みんな聞きません。 一人が、

「先生、あそこに何か浮かんでいます」

と言いました。それで、先生も確認して、

「あれは何だろうな」

とクラス全員で暫くあれこれ言いながらその物体を見ていました。

「全員、注目!」

と先生の号令で体育の授業授業を再会しました。
体育の時間中も暫く空の上にとどっまっていましたがよそ見をしていると先生に注意されます。みんな、そのうちにその物体の存在を忘れていました。確かに、何も動かないのでなんとなく気にならなくなっていました。

暫くして、その白い物体の方を見たとき、その物体は、45°位体を傾けてヒラヒラと山の方へ飛んで行ってしまいました。
何かの生き物の様に空を飛んでいった様に思われました。

その場では、黙っていましたが授業が終わった後、友達にそれとなく聞くと

「あれ、山の方に飛んでいったよね。」
「見た。見た。”一反もめん”みたいだったよね」

その時、妙に納得しました。妖怪”一反もめん”、確かにテレビの奴と同じ様だったと思いました。

あれは、本当に何だったのでしょうか。