神の啓示
池袋の4畳半のあぱーとに済んでいたときの話です。
池袋駅北口から外に出て少し真っ直ぐ歩いて行き左に曲がると”平和通り”と言う商店街(?)ありその突き当たり、丁度、首都高速にぶつかるところにそのアパートは有りました。
木造のぼろアパートで玄関は1階と2階に有り、それぞれ下駄箱に靴をしまって自分の部屋の前まで廊下が続いていました。
下の階には、まだ偉くない やくざのお兄さんがいて 色の入っていない入れ墨を自慢げに見せてくれたりと変な住人が多いアパートでした。
夏のある日、夢を見ました。
真っ赤なところ(部屋?)一人でいると誰かが、
「熱いよ−.熱いよ−.」
と言って苦しんでいます。
「何が熱いの?」
と聞きますが、その誰かは、
「熱いよ−.熱いよ−.」
と言うばかりでした。 そうこうしている内に、
”あっ、これは、夢だな。いい年して寝ション便するかもしれないな”
と夢の中で思い”起きなければ”と言う意識が働いて目覚めました。
起きてから暫くして異変に気が付きました。
入り口近くの座布団真ん中が真っ赤になっています。入り口の近くと言っても狭い部屋だったので部屋の真ん中に置いたコタツの向こう側の座布団です。
寝煙草だと思いますが、火が移っていました。窓は全開に空けてあったので部屋の中の煙は部屋の上を伝わって全部外に出ています。燃えている臭いもほとんど有りませんでした。
夢中でコップの水を汲み、真っ赤になっている部分にかけ消化しました。
ホッと一息ついて、あっ、これは、夢の中の知らせで起きられたのだと思います。
実際、前日は泥酔して帰って来ました。普段は、人が起こそうが何しようが絶対に起きないような状態でした。
あのまま、ぐっすり寝ていたら、と思うと身の毛がよだつ思いがします。
あれは、人間の持つ危険回避行動とも取れますが、どちらかというと神懸かり的に起こしてくれた神の啓示だと思っています。
どろどろした怪奇現象でなく、危険を回避してくれる様な不思議な出来事は大歓迎です。
これからも宜しくお願いしますと言いたくなります。