幼稚園
2000/04/11
ある日、幼稚園に通っている息子が、
「おとうさん、幼稚園にね、いじめっ子がいるだよ」
と言いました。
私は、このような小さないじめから大きないじめにつながると憤慨し、
「お前、明日幼稚園に行って先生にいじめをなくす様に文句を言ってこい」
と妻に言いました。
翌日、幼稚園行かせた妻に、
「ちゃんと先生に言ったか。いじめるのは誰だった。」
と問いました。
「それがね。先生が言うにはそんなことは無いと言うの」
「馬鹿野郎。本人が行ってるんだから、そのいじめっ子を注意するように先生によく言うんだよ」
「でもね、先生が言う言うにはそんなことは無いと言うの」
妻が言うには、自分の息子が先生に
「先生、○○ちゃんが意地悪する」
と言いいに行くのだけどその相手はいないそうです。
「○○ちゃんはいないんだから意地悪される分けないでしょ」
「だって、口に付いた血を僕のほっぺたに付け様とするよ」
ほっぺたを見ると、指で書かれたように真一文字に赤い線が引かれていたそうです。
先生は、ほっぺたの線をティシュペーパーで拭くとティシュペーパーは赤く染まったそうです。
先生は内心 ”ぞーっ” としましたが、気を取り直して冷静に、
「○○ちゃんは、もう幼稚園に来てないでしょ」
「だって、意地悪するよ」
○○ちゃんは、1ヶ月前交通事故で亡くなっています。
先生も気持ちが悪く話の内容を変えようと務めますが息子は納得しないそうです。
そのうち、同じクラスの子が何人か息子と同じように訴えてくるそうです。
「先生、○○ちゃんが意地悪する」
「ねえ、○○ちゃんはどこにいるの」
「あっ、いなくなちゃった」
先生も困ってしまい取りあえず話題を変えたそうです。
この話を聞いて、
「そんな事有るわ訳ない。」
と内心ビビリました。
その後、この話は幼稚園の父兄の間で噂になり
「何とかしなければ、幼稚園を辞めさせる」
等の苦情が殺到して急遽お払いをすることになったそうです。
お払いの日、何人かの園児は、ブランコの近くに立ってこちらを見ている○○ちゃんを見たと言っていました。
その後、○○ちゃんが見た等の事は園児から言われなくなったそうです。
お払いが終わった2.3日後、○○ちゃんの母親が幼稚園にやってきて
「ご無沙汰しています。その節はお世話になりました。実は、2.3日前からうちの○○が夢に現れて幼稚園に行けなくなった。と訴えるのでどうしたものかと思って来てみました。」
と相談に来たそうです。園長先生が、こう言う事が有りました。と告げると涙ながらに
「まだ、自分が死んだことが分からないのね。今度夢にでてきたら教えて上げます。」
と言い残して帰っていったそうです。
その後、○○ちゃんの母親が ”あなたは死んでいるのよ” 等の事を言ったか言わないかは分かりませんが息子も○○ちゃんの事は言わなくなりました。
子供の死は、本人には理解できないのでしょうか?
自分の子供に意地悪する憎い子供(霊)でもこの様な話を聞くと”幼稚園に行いきたいんだなぁ”と不憫で心が痛みます。
成仏してくれる事を祈ります。