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47話



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会社のトイレ

 


 

会社のトイレには窓が有りません。

鉄筋作りのビルで電気を消すと真っ暗闇になります。 最近は節電と言うことで、使用した後はこまめに電気を消すことが義務付けられています。
何度か、大きい方をしている時に電気を消されて真っ暗にされ、大きな声で、

「入ってるゾー」

と消した本人を呼び戻してスイッチオンしない限り真っ暗の中を かんを頼りに後始末をしなくてはなりません。
従って、社員はトイレから出る時は個室のドアが開いていることを確認してから出ると言う規則ができています。

ある日の残業の時、トイレで小用を済ませ個室のドアが開いているのを確認してから外に出て電気を消しました。すると、

「おい。入ってるぞ」

と物凄い怒鳴り声がします。

あわてて、電気を点け

「すみません」

と言って、歩き出しましたが

「さっきは、誰もいなかったよな。個室のドアも開いてたよな」

と不審に思いました。再び、トイレに戻り中を確認するとトイレの中には誰もいません。個室のドアも開いています。

すぐに、外に出てみんなのいる部屋に走って逃げました。

窓の無い行き止まりの部屋は霊が集まりやすいのでしょうか。

その体験後はトイレに入るのが少し怖くなりました。この状態で電気を消されてはたまらないので、用を足している時人が入ってきたら、咳払いをするとか、トイレットペーパーの器具を触って音を立てるとかして電気を消されるのを未然に防いでいます。

密閉された室内では不思議なことが起き易いのでしょうか。