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お墓参り

 


自分が、5歳の頃だと思います。

法事か何かで親戚がお寺に集まって、自分も両親とお寺に行きました。
本堂での長いお経は当時の自分としては非常に辛いものがありました。

その後、みんなでお墓に行き、お水をやったり線香を供えたりと一通りの事を済ませました。その場には、自分たちの親族だけしかいませんでした。
そして、みんなで、お墓から本堂の前に集まりました。その時、自分の持っていったおもちゃ(ミニカー)が無いのに気が付きました。さっきまで、手に持っていたので線香を上げるときお墓の傍らにに置き忘れたと思い、

「かあさん、おもちゃ忘れたから取って来るね」

と言って、一人で、お墓に戻りました。

時間としても午後の1時位で良い天気もあって、怖さは何もありませんでした。お墓まで行くとお墓の後ろに女の人がいます。

「はい、これでしょ。」

自分のミニカーを渡されました。

「ありがと。おばさん誰」

質問しましたが、ニコニコしているだけで何も言いません。 私は、走って母親の元に帰り、今の話をしました。

「誰も上がって行かなかったけどね」

その後、どこかの料亭で食事にする事になっていました。 その料亭で、うちの爺さんが、昔の写真とか言って古い写真を見せてくれました。

「かあさん、この人が、おもちゃをくれたんだよ」

と母親に言いました。その話を聞いてた、爺さんが涙ながらに

「良かったね、きっと、○○ちゃんに会いに来たんだよね」

と言ったのを覚えています。

数年後、物心が付いて頃その写真の女性は、自分が産まれる何年か前に他界した祖母の若い頃(40歳頃)の写真と分かりました。