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お稲荷さん

 


私が学校から帰ってくると親戚のおばさんが着ていました。

話の内容は、おばさんの子供でわたしとは従兄弟になる子が夜になるとおかしくなると言うことでした。

夜、”がばっ”と布団から飛び起きてウサギ飛びのように布団の上、回りを飛び回る事を1週間以上続けていると言うことでした。その時の格好が、軽く拳を握り胸の前で手首を折り曲げて手の甲を見せている格好、ちょうど狐が2本足で立って飛びあがっているようだと言います。
等の本人は何も覚えていないそうです。

その話を聞いていた、私の家の爺さんが、

「呼んでこい」

従兄弟を呼ぶように言います。おばさんは、急いで従兄弟を連れてきました。従兄弟は、当時小学校3年でした。

「お前、お稲荷さんに何か悪いことをしただろう。」
「そんな事しないよ」

従兄弟は考えますが悪いことをしたことはないと言い張ります。そしてよくよく聞くと、

「良いことはしたよ」

と言います。

従兄弟が言うには、空き地で遊んでいると1羽の鳩が死んでいるのを見つけた。可哀想だと思った従兄弟は、埋めて上げようと思った。どうせ埋めて上げるのなら神様の近くが良いだろうと稲荷神社の祠の横にその鳩を埋めてやったと言います。

「そりゃ、大変だ」

爺さんが言うには、子供が良かれと思ってやったことでも神様の近くでそんなことをやってはいけないと言う事でした。私と爺さん、おばさん、従兄弟は、直ぐに稲荷神社に行き埋めた鳩を掘り起こし鳩を別の場所に埋めお稲荷さんに油揚げをお供えして4人でよく謝りました。
従兄弟としては、良いことをしたと思っているし毎夜飛び跳ねていることは知らない為不本意の様ですが同じように謝りました。

後で、おばさんと爺さんにみっちりお説教をされたそうです。

その後、従兄弟と二人で話たとき、

「ちきしょう。何で俺が怒られなきゃならねえんだ」

と怒っていました。
そしてその話をして、よくよく聞くと毎晩同じ夢を見ていて夢から覚めると自分の両親が心配そうに自分を見ていて気味が悪かったと言います。
その夢とは、従兄弟が家から外へでる。そして必ず港の堤防から海を眺めている。海には、鯛、イカ、たこ、イルカとかがごちゃごちゃ海面を埋め尽くしていてみんな海から顔だけ出している。と言う夢を毎晩見ていたそうです。
ちょうどその夢を見ているときに、ぴょんぴょん 飛び回っていたようです。

私は、神聖な場所では、勝手なことをしてはいけないんだなと現在でも教訓にしています。