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18話



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私の娘ですが、娘が幼稚園に上がる前の3歳の頃の話です。

その朝、娘のが風邪をひいて熱が39度位ある事を妻から聞かされました。

「早めに帰るよ」

と言い残し仕事に向かいました。

その夜、帰宅すると妻が、

「ねえ。○○がなんかおかしいの。熱にうなされているようなのだけど空中を見ながらニヤニヤしたり、ゲラゲラ笑たりするのよ。」
「何言ってんだよ。」
「今日は、○○と一緒に寝て上げてくれない。」
「いいよ。」

私は快く引き受けました。既に子供は私の布団に寝ていました。その横に添え寝して30分位すると、

「クククククッ」

私と反対のタンスの方に横向きに寝ている娘が声を押し殺すように笑っています。その様子は、起きている時とまるで同じように見えます。目をぱっちりと空けタンスの一点を見ながら笑っています。我が子ながら少し不気味に感じましたが、

「何がおもしろいの」

娘からの返事は有りません。
私は、なんだか気持ちが悪くなり子供の肩を揺らしながらこの見ている場所を確認します。でも、何もありません。

「おい、どうしたの。何か見えるの」

子供はやはり一点を見つめたまま

「クククククッ」

と笑うのみです。焦りました。

「おーい。ちょっと来いよ」

妻を呼びます。

「でしょ。変でしょ。」
「何時からこんなになってるの」
「夜、寝だしてから。何かいるみたいでしょ」

部屋の電気をつけ、娘を抱き上げます。でも、娘はある一点を目で追います。私は、娘の顔を自分の顔の正面に向けて、

「○○。○○。」

娘を呼びます。
娘は、我に返ったように、

「お父さんだ」

と言いますが、直ぐにある一点に目がゆきます。

「何が見えるの」
「んーとね。きらきらのきれいなのが見えるの」

暫くして、

「あーあ、いちゃった」

と言ってそのまま寝てしまいました。それもぐっすり。その夜は、妻に馬鹿にされながらも娘の枕元にお守りを置いて寝ました。

翌朝、娘の熱も下がったので一安心です。抱き上げて昨夜のことを聞きました。

「昨日は、何か見えたの」
「きらきらのお友達が来たの。」
「どんなお友達なの」
「わかんなーい」

3歳の子供にそれ以上聞くことはできません。

あれは、熱の為のものなのか、何か私達には理解できないものが実際に娘と会っていたのかは分かりませんが、その夜の娘ははっきりと起きているのが分かり寝ぼけていた状態では有りませんでした。
その後、2-3回熱がでると同じ事が起こりましたが幼稚園に行くようになるとその現象はぴたりと無くなりました。

この様な体験は家の子だけでしょうか。同じ様な体験をした方はいらしゃるのでしょうか。