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お化けだよ

 


 東京の大学を卒業して、Uターン就職をしました。

私の家族は、両親、兄、妹の5人家族です。Uターン就職をしたのは良いのですが、何せ狭い家なので、以前使っていた部屋は妹に占領されていました。仕方がないので、1階の応接間(4畳半)を自分の部屋として使用とすることにしました。

ある夏の日、応接間に布団を引き寝ていましたが、夜中ふと目が覚めました。その時、ドアのところにそれは立っていました。
長い髪、着物、そして日本の幽霊の標準的な格好の手を前にだらっとたれ下げて

「お化けだよ。よいよい。」と言っていました。

驚いた私は、大声で「わー」と叫んでしまいました。両親達が何事だと思い応接間に集まってきました。

今あった事を説明すると、「なんだろうね。でも、明日は庚申の日だからおばさんが来たんじゃないの。」といっていました。
冷静に考えると驚きはしたものの、怖さは有りませんでした。

おばさんというのは、私達兄弟をかわいがってくれ、それ以上に私達にお化けの話などをして怖がるのを見て楽しんでいた叔母がいました。この叔母は、4年前に癌で亡くなっています。

「そうかもしれないね」と妙に納得して寝直しました。

このころ、会社の事で悩んでいた頃なので、私に渇を入れるために出てきてくれたのかな思っています。
自分が死んでからも甥のために出てきてくれたと思うと何か考えさせられます。