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集会

2001/08/01


20年位昔の話です。

私は、恥ずかしながら俗に言う”暴○族”でした。
その日も集会があり夜、いそいそと出かけました。
結構大所帯で単車、車合わせて100台位が集まりました。
私は、しんがりを勤める先輩の車の助手席にいました。
真夜中の国道を真っ赤な蛇の様にくねくねとテールランプが流れて行きます。
私は、上半身車の外に出して、箱乗りしていました。
季節は夏、夜中と言っても決して寒いことは有りません。 なのに、

「ゾクゾクッ」

と急に冷水でも浴びたように寒気が襲いました。
何となく嫌な感じが全身を覆います。
その時、私たちの後ろから白い着物の老人が着物をなびかせながら飛んできました。
目の錯覚で無く本当に空中を飛んできたのです。
私は唖然とその老人を凝視してました。
だんだんと近づいてくる老人は、もう私の上を越えようとしています。
その時、その老人は骨と皮だけの腕を下に延ばして私の頭を触ろうとしました。
とっさに、車に逃げ込みギリギリのところで触られるのを逃れました。
私は、フロントガラス越しにその老人を見ていました。

「お前、何してるの」
「変な爺が空飛んで...。なんでもないっす。」

と言うのを止めました。
どうも、先輩には見えていないようです。 老人は、

「ニヤッ」

っと笑いながら目の前を進んで行きます。
目の前の単車の上に行くたびにその運転者の頭を撫でようとしています。
何人かの頭を撫でた老人は突如消えてしまいました。
それと同時に、最後に撫でられた奴が転け、玉突き状態となり大事故に発展しました。
かなりの大事故でした。

但し、死んだのは、老人が頭を撫でた奴だったことは言うまでも有りません。
あの老人は、死に神なのでしょうか?
もし、あの時、私も頭を撫でられていたらと思うと今でも鳥肌が立ちます。


<Masakiさん>