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祖父母

2001/05/31


私って霊感なんてないって思ってたけど、意外と結構経験していたらしいのです。

初めては、小3の冬でした。
お正月明けのある日、肺癌で祖父が亡くなり、お通夜、お葬式も済んだ3日後の晩、夢に祖父が出てきたのです。
自分と祖父のいるその部屋は亡くなった祖父が寝ていた部屋の北側にある納戸でした。
しかし、いつもの納戸の雰囲気とは違い、灰色がかった空気に包まれた只の空間といった感じで、部屋の出入口付近と思しき所に鏡がありその中に祖父はおりました。
祖父は私にこう言ってきたのです。

「1時間以内におばあちゃんをここへ連れてきなさい」

私は必死で探し回り、何となく嫌がっている様子の祖母を見つけ出して祖父のところへ戻りました。
しかし、もうそこには祖父の姿はなく、鏡が残されているだけでした。
夢はそこで終わっています。

あの夢は何だったのか、今は何となく判るような気がします。 小さい頃は知らなかったのですが、祖母はかなりわがままで意地悪な人で、母は苦労させられていたらしく、耐え切れなくなった時はいつも祖父に相談して、諌めてもらっていたようです。
しかし、祖父が亡くなった今、誰も祖母を止められる人はいません。
父は見て見ぬふり。
そんな状況を見て、祖父は私の夢の中を通して…何をしようとしていたのでしょうか…。

それから10数年後、祖母も他界し、その3日後、また夢を見ました。
仕事から帰ってくると玄関に、生前では見せた事のなかったような満面の笑みで私を出迎えました。
お土産持って。
そして祖父母の使っていた部屋(北側が納戸のあの部屋)でみんなと楽しそうに歌を歌っていました。
襖をぴったりと締め切っていたので誰が来ていたのかは判りませんが。

後日母から聞いたのですが、祖母の亡くなる朝、祖父に祖母の事を愚痴っている夢をみたそうです。
夢の中で祖父は、生前と同じように『しょうがねえなあ』って顔して聞いてくれたらしく、そのおかげか、その朝は妙にすっきり目覚めたそうです。
肩の荷が下りたというか…。

長々と書いてしまいました。
でもこれが恐い話かってゆ〜とそうでもないかも…。
他にもそれっぽい、そうかもね〜って感じの話があるので、又の機会に。

<Aoki さん>