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油絵

2001/04/03


初めて投稿します。

僕の体験した話しでは無いのですが卒業した先輩から聞いたものです。

僕の学校は埼玉県の大○市に有る高校です。
この学校には地下室があって、何かしら物置に使われています。
勿論、美術の授業で使う用具類などがしまわれた部屋も有ります。
その地下室には滅多な事では行かないし、行く用事も有りません。

ある雨の午後、美術の先生に呼ばれて、

「おい、用具室から絵の具を取ってきてくれ。地下室のな。」

と頼まれました。
先輩は、嫌とは言えない性格だったので2つ返事で地下のその部屋へ行きました。
その日は ジトッ としていて、かび臭い地下室の部屋に行ったときは何とも言えない雰囲気と匂いに圧倒されたそうです。
早く用事を済まそうとしましたが初めて入る部屋なので絵の具箱の在処が分かりません。
いろいろ探しているうちに、白い布をかぶしたものを見つけました。
外観から額に入った絵だと分かったので絵の具箱はないだろうと思いましたが一応念のためにその布をはずしました。
その絵は油絵で、5人のフランスの高貴な女の人(と思ったそうです。)が椅子に座っているものだったそうです。
別段変わったことのない絵だったので、その額の後ろなどに絵の具箱が無いか探しました。
そうしたらちょうどそこに絵の具箱が有ったそうです。
先輩は目的のものがつかったので部屋を出ようとしたのですが、先ほどの絵の上に白い布を被せて元通りにしなかった事に気が付き絵の所に戻りました。
そして気が付きました。

「わーっ。」

と大声を上げながら転げるようにその部屋から出て職員室へ向かいました。
その間、先輩は後ろから捕まるのではないかと気が気ではなかったそうです。
驚いた先生達に先輩はこう言いました。

「絵の中に、げらげら笑った女がいた。」

先輩が観たものは、絵の中に描かれた5人のフランスの高貴な女の人の後ろに立つ、気味の悪い笑い顔の6番目の高貴な女が描かれていて、確かに笑ったと言うことでした。
回りの先生達も笑うでもなく、怒るでもなく相手にしたくないと言う様子だったそうです。
その後、美術の先生に何となくはぐらかされてその場は終わったと言います。

「絶体に何か有る」

と先輩は断言していました。


<ヨシさん>