戻り


夜の小学校

非常階段

私を見ている

霊現象にはまる方位

赤いTシャツ

GodBlessYou

金縛り

釣果良好

岩場

クラブのOB会

七不思議めぐり

砂埃

誰もいない神社

思春期

ツインルーム

鈴の音

隣の部屋

二階の台所

わかっていた事。

義母

キツネでしょうか?

トンネル

男の子

義父

お別れの・・・

学校の肝試しで・・・。

神隠し

光玉

黒いパンプス

生き霊

修学旅行

日本人形

黒い影の正体 





へ戻る









313話



Package 10

Package 9

Package 8

Package 7

Package 6

Package 5

Package 4

Package 3

Package 2

Package 1

不思議話へ戻る


私を見ている

2008/05/11


こんにちは、初投稿させていただきます、さちです。
今私は中学3年生なんですが、私が小学校5・6年生のときに体験した
ことをお話したいと思います。

私は、小学校2年生の春休みに転校し、父方の祖父母と同居していた
家を離れ、そこから20分ほどの一軒家に引っ越しました。
私と母と妹が寝ている部屋は、3階の南の部屋でした。
頭の上にはベランダがあり、足元を見るとすぐ壁でしたが、
その壁は都合でクローゼットのように収納できるような、
折りたたみ可能な壁でした。
その壁をたたむと、隣の部屋と南の部屋がつながって、
ひとつの部屋になるというわけです。
足元の部屋には父が一人で寝ていましたが、冷房が南の部屋にしか
ついていなかったので、毎日その壁は折りたたんだまま、
4人で寝ていました。
さて、前置きが長くなりましたが。
私は3人の真ん中に寝ていました。足元から何か物音がするな、
と思い、すぐに目を覚ましました。
「父さんがなにかやってるのかな…」と、起き上がらずに頭だけ
おこして足元を見ると、父が寝ている部屋の、開けていた扉から
半分だけ、髪の長い、白装束を着た女の人が立っていたのです。
ぎょっとしてよく見ると、女の人の顔は、まるで仮面のように、
眼が弓状につりあがっていて、口も、耳まで避けて、弓のように
笑っています。
小説に、ナイトバロン、という男爵が出て来るのをご存知でしょうか。
その男爵がつけているような仮面の顔が、じっと私を見ているんです。
表情を変えずに、つりあがった眼と口のまま…。
怖くなって、すぐ布団にもぐりました。
あの女の人はなんだったのでしょうか。翌朝母に聞くと、
「あんまり気にしなや?浮遊霊かもしれへん…」とか言われましたが、
実はそれから何回かその女の人を見たことがありました。
そのことを何回も言うと、「…もしかしたら、さちをまもってくれてるんかもしれへんよ?」って言ってくれました。
確かに私は、怖い意識しかもっていませんでした。
でも、よく考えるとその女の人は、いつも私を遠巻きに見ているだけで、
誰かが怪我したとか、病気になったとか、そんなこと全然ありませんでした。

中学3年生になったいまなら、素直に思えます。
「あの女の人は、きっと私を見守っていてくれたんだ」って…。

怖い仮面の下に、死んでもなお生き続ける人の優しさというものを
垣間見たような気がしました。



<さち さん>


★ブログの革命児!動画アップロード機能からアクセス解析も搭載!常に時代の先をいくDTIブログ!