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ツインルーム

2003/01/24


これも、ずいぶん前になります。

九州の友人が遊びに来ていた時のことです。
ディズニーランドへ行った事がない、というサトミのために二人で行く事にしました。
当時は、まだ、交通手段がバスしかなかったので、バスで行ったのを覚えています。
朝から思いっきり遊んで、気がつくと、もう閉園の時間でした。
バス停へ行ってみると、終バスが出たばかりで、
あとは、タクシーか、どこかに泊まるしかありません。
かといって、今のように、ベイホテル群もありませんでした。

「どうしようか・・・」

あてもなくとぼとぼ歩いているうちに、
1件のビジネスホテルが目に止まりました。

「あそこでいいか」

フロントの男性に、泊まりたい、というと、ツインルームが空いている、とのこと。
すぐにチェックインしました。
部屋は、新しくはありませんでしたが、清潔でした。
よかったねえ、などと話ながら、横になりました。
ただ、作りが、なんとなくイヤでした。
私は、小さいころ、鏡で怖いおもいをしていたので、ベッドの頭のすぐ上にある大きな窓と、
それに向かい合うように掛けられた大きな鏡が気になっていました。
今思うとどうしてだか判らないのですが、カーテンは閉めずにいました。
横になりながら、今日の楽しかった話をしているうちに怖い話になりました。
サトミが話して、私も話して、そんなことをしているうちに何故か
鏡が視界の端に入っていました。
何か白いものがうつっています。

何だろう・・・カーテンは、オレンジだし・・・。

じっと、見ようとすると、見えません。視界の端に入るようにすると、
白いものが見えます。
そのうちに、話は止まっていました。
鏡に意識が集中してしまっていたからです。
だんだんはっきり形が分かるようになってきました。
白いワンピースを着た若い女性です。

「あのさ・・・」

サトミが口を開きました。

「窓、閉めない?」

「私もそう思ってたところ。鏡、ヤバくない?」
私がそう言うと、がばっと起き上がって、
「そう!!!」サトミが言いました。
「白い服の女でしょ!」
外を見ないようにして、カーテンを閉め、
鏡には、バスタオルを掛けて、明かりを全部つけて寝ました。

次の日の朝、気がつきました。
私達が泊まったのは、4階で、ベランダやバルコニーはついてない部屋だったことに。


<みんみんさん>