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本当に孫が大好きだったおじいちゃん

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本当に孫が大好きだったおじいちゃん

2002/11/12


あれは自分がまだ高校生だった冬のことです。

11月の終わりに孫である自分と妹のことを本当にかわいがってくれていた おじいちゃんがガンで亡くなりました。
死に目には会えたのですがおじいちゃんの住んでいた九州へは久しぶりに行き、 しばらく会っていませんでした。
その時おじいちゃんは自分と妹の手を握りしめて何かを言おうとしていたのですが 最後までおじいちゃんのメッセージは分かりませんでした。
しかし自分たち兄弟が来ているということは分かったらしく、目に涙を溜めて 喜んでくれました。
ことのほか妹をかわいがっていたおじいちゃんは妹に会うのは10年ぶり以上だったの で最後に会えてよかったと妹も言っていました。

それからまもなく息を引き取り、お通夜、お葬式をすませて 愛媛の家に帰りました。
それから3ヶ月が過ぎようとしていた2月の朝、自分が学校へ行こうと身支度を していると母親と妹の姿が見当たりません。
父親に

「・・・(妹)と母ちゃんは?」

と訊いてみると

「おまえ、知らんのか! 昨日の晩 ・・・が倒れて病院に担ぎ込まれたろうが!」

と言いました。
妹が急に倒れて、慌てた両親は、隣の部屋に寝ていた自分のことまで 気が回らなかったらしく、起こすことも忘れていたとのことでした。
妹の状態が気になったので学校の帰りに病院へ寄ってみました。
母親が妹に付き添い、妹はベッドで寝ていました。
昨日の晩のことを訊こうと母親に

「昨日の晩は何があったの?」

と訊くと、母親が言うのには妹が寒かったせいかストーブをつけっぱなしで寝てしまい、 不完全燃焼による一酸化炭素中毒で倒れたとのことでした。
しかしそこから先の話は自分には信じられないものでした。

「実は昨日の夜中におじいちゃんが・・・を助けに来た。」

とのことでした。
母親いわく、

「夜中の3時頃に、ものすごい勢いで家のチャイムを鳴らす人がいたの。  こんな時間に誰かなと思ったけど、不思議なことに家族の中で一番音に敏感で  どんなに寝ていてもコトッと音がしただけで目を覚ますはずのお父さんが  その時は目を覚まさなかったの。  不審に思いながらも玄関のドアを開けると、そこにおじいちゃんが死に装束のまま  立っていたのよ。  お母さんは看護婦だったでしょ。こういうことには結構慣れていたから  冷静に「おじいちゃん、もう死んだのだからあっちへ行かないといけないでしょう。  どうしたの、こんな時間に」と訊いてみたのよ。  そうするとおじいちゃんが2階の妹の部屋に視線を送って何かを伝えようと  していたの。
そのままスゥ〜ッと消えてしまったけど何かあったのかなと  2階の・・・の部屋に上がっていこうとすると部屋からバターンとすごい音が  聞こえて・・・が倒れていたのよ。」

とのことでした。

お医者さんに確認してみると妹はあと15分遅かったら死んでいたと言っていました。
生前、僕たち兄弟、特に妹をかわいがっていたおじいちゃんはいつも妹を膝の上にのせて、

「困ったことがあったらおじいちゃんに言いなさい。いつでもおじいちゃんは  ・・・(妹)の味方だよ。」

と口癖のように言っていたのをはっきりと覚えています。

今でも不思議なのですが本当にあった冬の出来事です。


<満さん>