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修行

2001/10/12


小学校時代は、年に何回か泊まり込みの授業がありました。

時には、小学校の教室で。時にはお寺で。
この話は本当なのか、説法の内なのか分かりませんがお寺で泊まった時にその住職さんが話してくれました。
お寺には宗派が有りますが、そのお寺は山に籠もって荒行をするところらしいです。
その住職さんも当然若い頃お山に籠もって修行したそうです。
その修行はもの凄い荒行で、たった一人で何ヶ月間も山の中で暮らすそうです。
従って、途中で棄権する者も多くいたそうです。
孤独と夜の闇が一番の恐怖だったそうです。

人恋しくて人恋しくて、何度下山しようと思ったか。
でもがんばったそうです。
修行の中盤頃から夜お経を唱えていると住職の回りになにやら集まってくるのが分かったようです。
住職としては怖いのですが、信仰心とはもの凄いもので怖さよりも神仏の力が勝っているそうです。
その回りの者は最初はうごめいている感じだけだったが日を重ねるうちに、人型となり住職になにやら喋りかけてくるそうです。
だが、相手にしてはいけないと心の中で言い聞かせ一心不乱にお経を唱えたそうです。
相手も色々な手で返事を貰おうとするそうですが、無視を決め込んでいました。

あと何日かと言うとき、肉親の声がします。
その声を聞いたとたん、精神力で押さえ込んでいた人恋しさ、誰かと喋りたいと言う衝動が沸々と湧いてきて、とうとうまわりの問いかけに反応してしまったそうです。
その時の会話は、特に内容のあるものではなかったが最後に住職に憑いて行く等の事柄が有ったそうです。

その後、毎晩、何かしらのとりとめのないことを話し日がたって行きました。
住職は後悔の念にかられながらもその者との会話が楽しくなっていったそうです。
下山して修行している本山に帰ったと同時に、

「おまえは、山で何をやっていた!!」

と一喝され住職に憑いているその者のお払いをして貰ったそうです。
その後修行を終え今のお寺に戻りましたが、その者も住職と一緒に帰ってきたと言う話でした。

この話を聞いて、生徒全員もの凄く怖くて シーン と静まり返っていました。
その時、

「そんなの嘘だよ。お化けなんか居ないよ。」

と住職に文句を言う男の子が居ました。
住職は苦笑いをして、ご本尊の方を指さしました。
その時、その方角から

「ぐおぉぉぉぉ〜。」

と言う唸り声が聞こえて全員パニック。
先生も生徒を落ち着かせようと必死になっていました。
当時は、幽霊の存在を信じてました。
この体験から更に確信していました。

今となって、小学生相手に何故あんなに怖がらせたのか。
あの声は演出か?等と思いますが冷静に考えても、パニック時の先生の真剣な対応 (笑っている先生は居なかった)やわざわざご本尊のところに細工してあんな事を やる必要は無いと思うと現実の事だったのかと思います。

その後、そのお寺で”お泊まり”したかは分かりません。

<Suzukiさん>