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窓ガラス

2000/09/01


池袋のサンシャインシティの近所に住んでいた時です。

私の部屋は、4階建てのマンションの最上階にありました。
部屋は、1DKの狭い部屋でしたが1人で済むには問題有りません。
夏の暑い日は、窓を開けると気持ちの良い風が入ってきます。

その夜も、窓を全開にしてベットで寝ていました。

「ガチャッ。キィィーイ。」

ドアの開く音で目を覚ましました。

”泥棒かも知れない!見ててはいけない!見たら殺される!”

と思いジットして窓側を向いてドアの方は見ないようにしました。
その内、6畳の狭い部屋をあちこち歩き回り出しました。

何分、何十分経ったでしょうか。
その行為は、果てになく続くと思われました。

「無い。何で無いの。」

と女性のか細い声が聞こえた途端、窓から強風が入り(出たのかも知れない)カーテンが大きく揺れ動く感じがしています。
私は、まだ、堅く目を閉じていましたが、部屋を歩き回る音と供にその気配も無くなっている様なので恐る恐る目を開けました。

パイロットランプに薄ぼんやりと照らされた部屋には誰もいませんでした。
急いで電灯を付けました。
眩しい目を擦りながらドアを確認しましたが鍵はしっかり掛かっていました。

「何だ。気のせいだったのかな。寝直そう」

と電灯のスイッチに手を掛け何気なく開いた窓を見ました。

「ぎゃぁぁぁ。」

窓ガラスに、部屋のほとんどが映っていましたが私の横にワンピースを着た女の人が横向きに私の方を覗き込む様に見ていました。

朝日で目が覚めました。
目が覚めた場所は、ベットの上でなく電灯のスイッチの下でした。
どうも、気を失ってそのまま倒れてしまったらしいのです。

やはり、昨日の出来事は夢でなかった。
物凄い恐怖に襲われ、その日から友達の家に泊まり歩きその月の内に引っ越しました。

今でも思い出します、あの覗き込む様に見ていた女の人の姿を...。


<crisさん>