夜の訪問者
2017/08/23
昨晩のことです
実家の隣に住んでいた気さくなおじさんがいたんです。
面倒見がよく近所でも評判のおじさんでした。
隣に住む私たち家族は特に面倒見てくれていて家族全員、おじさんが好きでした。
現在は独立して実家の隣町に新居を構えているのですが、
「ピン〜ポン〜」、突然チャイムが鳴りました。
「はい、どちら様?」、とすぐに対応しましたが、「...」、応答が有りません。
モニターで確認しましたが、誰もいません。
間違いかと思ったのですが、また、「ピン〜ポン〜」、「はい、どちら様?」、「...」
モニターには何も映りません。
とりあえず確認しようと玄関へ行きドアを開けると、
「こんばんは。元気にしてた。今までお世話になったね。楽しかったよ。」
実家の隣に住んでいたおじさんでした。
「○○のおじさんじゃないですか。どうしました。」
「今回、遠くへ行くことになってね。今までお世話になったね。楽しかったよ。」
とニコニコしながら話す表情は昔のままでした。
「こちらこそご無沙汰してすみません。ってどちらへ行かれるんですか?」
「...」
おじさんは何も話さずニコニコしているだけです。
「そろそろ、行きますので、それでは...」
おじさんは他にも周る所があるらしく、にっこり微笑んで帰っていきました
何でわざわざ来たのだろうと実家へ電話しました。母が出ました。
「隣のおじさんがさっき来たんだけど、何かなぁ」
「さぁ、何かしら。もう遅いから明日きいてみるね」
翌日、普段通り会社に行き帰宅しましたが母からの連絡は有りませんでした。
その日、母からの連絡は有りませんでした。
次の日の夜、母から電話が有り、
「隣の○○さん、亡くなってた。」
母が言うには、翌朝おじさんの家に行ったのですが留守(応答無)だったので
昼にもう一度行ったが応答がない。近所の人に聞いても
「知らない」「歳だし、身体も不自由だったから外出しないでしょ。」
嫌な予感がした母は、町内会長さんへ連絡し一緒に確認に..
町内会長さんが垣根を越え、裏の窓から室内を確認するとうつ伏せ状態で横たわるおじさんが...
その後、救急車では運ばれたおじさんは病院で死亡が確認されました。
警察官との事情聴取で聞いた話では、
・死因は、心筋梗塞。
・死亡日時は、●月▲日の21:00頃
母は、「気が付かなかったわぁ。」と落ち込んでいる様でした。
「仕方がないよ」と母を励まし電話を切りました。
暫らくして、「あっ」と気が付きました。
おじさんが死んだ▲日は、自宅に来た日と同じでした。
訪問された時刻も21:00頃で有り、ちょうど亡くなった日付と同じでした。
それから少ししてお葬式があり、私は皆の話を聞いてまた驚きました。
おじさんは、生前お世話になった人達に挨拶して周っていたそうです
怖いと言うよりも面倒みの良かったおじさんらしいと皆、感心していました。
ただ一人、納得いかない人がいました。
「なんで、家には来なかったのかしら!!」
母はちょっと不機嫌そうにつぶやいていました。
<JJさん>