迎え火の思い出
2009/08/20
我が家でもこの時期、夕方暗くなってからご先祖様のために
玄関先で迎え火をたきます。
毎年この時期になると、幼かった頃体験した恐怖が今でもよみがえります。
私が5歳くらいのときだと思いますが、じいちゃんっ子だった私は
お盆の時期に祖父と一緒に迎え火をたいていました
迎え火の意味は分かりませんでしたが祖父と一緒のことなので楽しくて
しょうがなかったのを覚えています。
周りはもうすっかり暗くなっているので火に向かっている顔が
真っ暗の中に異様にくっきりと浮き出ていたのを鮮明に覚えています。
ジーと炎を見つめていてフト顔を上げると祖父の顔が
炎に照らされてくっきりと浮かんでいます。
「ねえ。じいちゃん。」
と呼んでも祖父はジーッと炎を見ています。
なんだか不安になってきて
「ねえ。じいちゃん。」
と半泣きで叫ぶと、
「どうした?」
と後ろから声が
はっとして後ろを振り返ると祖父がスイカをもってニコニコして立っています。
「えっ」
と前を見るとやっぱり炎に照らされた祖父の顔が
「ぎゃっ」
といった瞬間その顔はスーッと消えてゆきました。
私は大泣きで祖父と家に入りどう説明していいか分からず
小一時間ほど泣いていました。
それからは、送り火には参加せず、その時間になると
テレビにかじりついていました
そしてもうひとつのショックは、その年の秋、祖父は亡くなったことです。
あの顔と何か関係が有ったのでしょうか。
そのこともあって成人するまでは迎え火が怖かったなぁ。
<匿名 さん>