戻り


右ストレート

修学旅行で

歌声

クラブの合宿で。

都市伝説

今も同居中!

樹海

トイレ

ばけねこ おばん

物音

あじの干物

先生

心霊スポット

キツネの恨み

お線香

夜釣り

あの夢

白い手が..。

自殺です。

霊感を得る夢

大涌谷

輪廻転生

早朝の怪

携帯電話の謎

遅かったね。

見知らぬ女の人 続報

親友

見知らぬ女の人

踏切

萬城の滝

くまさん

何だ!?

バットマン





へ戻る









143話



Package 10

Package 9

Package 8

Package 7

Package 6

Package 5

Package 4

Package 3

Package 2

Package 1

不思議話へ戻る


くまさん

2000/10/20


みんなと別れてから一人、家路を急いでいました。

商店街を越えると、シーンと静まり返った住宅街になります。
時間は、夜に10時頃だったと思います。
街灯の下や道路に面した家の前以外は、真っ暗です。
明かりと明かりの間の暗闇は急ぎ足で駆け抜けました。

そろそろ家に近づいてきたのですが、まだ距離は有ります。

「怖いと思うから怖いんだ。歌でも歌って帰ろう。」

と思いつきました。

「あるぅ〜日、森の中、くまさんに、出あぁ〜た...」

何回も同じフレーズを繰り返し繰り返し歌っていました。
あと少しで家です。

その時、古い大きなアパートの前を通っていました。

「あるぅ〜日。」
「あるぅ〜日。」
「森の..、 えっ」

私の歌に合わせて歌っている声がします。
小さな女の子の声の様です。
今と通っているアパートに住む子供が歌ってるのだろうと思いました。

「チョット、歌声がおおきすぎたかなぁ。」

と思い少し反省しながらアパートを見るとアパートの全ての部屋は真っ暗です。
よく確認しましたが、女の子などどこにもいません。

「気のせいかな。」

と気を取り直して家路に向かいます。
今度は、周りに迷惑がかからないように小さな声で、

「あるぅ〜日。」
「あるぅ〜日。」
「森の中。」
「森の中。」

やはり一緒に歌っている声がします。
物凄く怖くなり、一目散に逃げようとした時、

「何で、途中でやめるんだよ〜。」

と男の不気味な だみ声が聞こえてきました。

又、走っている私の後ろから、同じだみ声で、

「”くまさんに。” だろう。」

などと怒りながら、駆けよってくる足音が頭の中に響いていました。


<ponさん>