昔 話



防空壕

2000/04/04  


市街地から少し離れると防空壕跡がいたる所に残っていました。

子供達に取っては、格好の秘密基地となります。
大人達は、防空壕の中に入ることを厳しく禁止していましたが、そんな事はお構いなしでした。
今思えば、何十年と立っている横穴ですから天井が崩れて生き埋めになることを心配してくれていたと思います。

が当時は、全然関係有りません。

みんなで、ローソク、食料、漫画の本などを持ち寄り穴の中に入って行きます。
入り口付近は狭いのですが、中は少し天井が高くなっていて子供が遊ぶには問題有りません。

所定の位置にローソクを立て、ローソクの明かりをジット見つめていたり漫画の本を読んだり、

「ワッ」

と言って反響を楽しんだり、天井をさすると土がサーと落ちるので、丁度、友達の頭の上の天井をさすり友達の頭に土を落としたりとたわいのない遊びをしていました。
落盤するなどと思っていませんからかなりラフに穴の中で遊んでいました。
今思うと、ただジット穴の中にいた方が多い様でしたが、当時はそれだけで、ドキドキして楽しかったと思います。


時たま、ミミズが横の壁から出てきていたりと何か異次元の世界に居る様で楽しかった事を覚えています。

たまに、大人に見つかり穴から出され、

「危ないから入ってはいけない」

と怒られましたが、懲りずまた防空壕に行きます。

あまりにも言うことを聞かない子供達に対してバリケードを張って進入を禁止したりされますが、私たちは

「じゃぁ、次探そう」

防空壕はいたる所にあります。
防空壕を見つけるのも楽しみの一つです。

草に隠れていたり、窪地に有って通常では見つけにくい所のものを探したときは、大喜びします。

但し、既にローソクなどが置かれている時はその新しさを判断し最近、他の子供達が使っている様ならば使用中とし他を探しに行きました。

防空壕に限らず、昔は秘密基地なるようなところが数多く有りました。




  



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