昔 話



焚き火

 


冬に日になるとあちこちで焚き火をしていました。

あの木の焼ける香しい匂いは大好きです。
空き地、河原、浜辺等でよく見かけました。

その中でも浜辺の焚き火は、四季に関係なく行え、更には大規模になっても余り気になりません。

我々、子供も誰かが持ってきたマッチでよく焚き火をしました。大人達も砂浜の上でやる焚き火をとがめる事は余り無かったと思います。

浜辺ですから、流木等の燃やすものには事欠きません。火を付けてそれを眺めるだけで時間は過ぎて行きます。

その内、蟹、小魚を捕ってきては火刑にします。

ある日、負傷した猫が浜での隅にうずくまっていました。友達の寿司屋のせがれが何を思ったか、

「火刑にしよう。」

とその猫の処刑を提案します。
(猫は処刑されるような事はしていません)

自分としては、可哀想なのでやりたくないのですが、周りの雰囲気にのまれて処刑の準備が進みます。猫を捕まえて、浜辺で拾った、針金で手足を縛り焚き火の中に放り込みます。

「ギャー」

断末魔の悲鳴をあげながら猫はもがきますが1分ぐらいで動かなくなります。その後は、

「すごかったな。」

みんな目をギラギラさせて興奮しています。
でも、自分としては何ともいえない嫌な気分に陥ります。 何でこんなことをすするんだと。

しかし今思うと、この様な体験から命の尊さを学んでゆくのだろうと思います。今の子供達は、仮想の世界での殺戮は体験するが現実の惨劇と言うものを体験しないので世間で騒がれるような悲惨な事件が起こるのではないかと思います。

猫には気の毒ですが、自分たちの良い勉強材料になってくれたことに感謝します。





  



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