昔 話



トカゲのしっぽ

 


今はちょっと抵抗が有りますが、友達とよくトカゲを捕りました。

最終的には逃がしてやる事になるのですが、その捕獲の目的はトカゲのしっぽにあります。
採取したトカゲのしっぽを持ってぶら下げると”ぷつんっ”て感じで自然としっぽが切れてしまいます。
その後、本体は草むらへと逃げて行きます。残ったしっぽは、クネクネ動きます。そのしっぽで、遊ぶのです。

「じゃあやるよ。よーい、はい!」

友達と捕まえたトカゲをかけ声とともにしっぽを持ってぶら下げます。
まずは、早くしっぽが抜けるように振り子のように振り、抜けるのを促します。抜けた後、誰のしっぽが最後までクネクネ動いているかを競います。

「へへ。俺のが一番長いな」

最後まで動いていたしっぽを保有していた友達が得意がります。
時たま、最後の一本の動きが止まり勝者が決まった状態になりますが、生き物ですから、今まで動かなかった違う友達のしっぽが”ピクッ”と動いたりします。

「やった。今の見たよな。俺が一番な」

どんでん返しが有ったりします。
ただこれだけの事ですが、みんな、熱くなりました。

ある日、いつものように友達としっぽの競技を行っていました。

「こら。お前たちか。」

全員整列させられて、一発づつ平手打ちを貰いました。当時は、体罰は当然でした。自分の親も面談の時に、

「先生、この子が悪いときはどんどんぶん殴ってください。」

と頼んでいたものです。まあ、体罰のライセンスを貰ったようなものですから先生の体罰は容赦がありません。
今だったら大問題になっているでしょう。

話を戻しますが、その先生が校内を見回っていたとき、その遊びをしていた場所に偶然に通り掛かり、おびただしいい数のトカゲのしっぽを発見したそうです。生き物を大事にしないことに腹を立て犯人はだれか?と言うことで張り込んでいたようです。

このしっぽ遊びは、禁止となりました。

全校生徒が集まる朝礼で名前こそ出しませんでしたが、この様な遊びは禁止である等の校長先生のありがたいお言葉が貰いました。





  



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