昔 話



便所

 


当時通っていた小学校は、木造の築何十年とたった古い校舎でした。

従って便所(トイレとは言わなかった)も古い建物でした。
1年生から5年生までは同じ便所を使用していました。6年生用の便所から男女別々になったと思います。

後者から別棟として便所は建っていました。建物としては、かなり大きなもので建物の両側から出入りができます。
窓側の直線に小用を足す様にコンクリートで溝ができています。その手前には立つ場所があり、両足を開いた真ん中に浅い溝があり小便が流れる溝の方に傾いています。陶器の便器等は無く、みんな並んでどぶに オシッコをするという形になります。

反対側には、女子生徒の小用、及び、男女の大便兼用の個室が並んでいます。
個室の上には教室の入り口に有るような何年何組と記した小さめの表札が掲げて有りました。
個室にはいると和式の便器が設置してあります。用を足すと50cm位下のコンクリートに汚物が落ちます。何分かに一回前を向いている方から水が流れてきます。個別の水洗便所でなく個室の下にコンクリートの溝ができていて上流から流れてきた水で汚物は各個室の下を通って下流に流されて行く構造になっています。
従って、用を足した後は、ぼったん(くみ取り)便所と同様にしたに残っています。次の人が入ってくるとぽつんと眼下に前の人の もの が残っています。又、有る一定時間で水が流れてきますが、その流れを観ていると前方での多量の汚物が流れ去ります。
最下流の個室では、全部の個室で発生したものを見る事ができます。

男の小便用は、どこでも好きな所でできますが、個室は使用するところが決まっているので休み時間等は長蛇の列ができます。よその組の個室を使うと大問題となってしまいます。低学年の時は、余り抵抗無く女子生徒に混じって個室の前に並びますが、なにせ競争率が激しいので白い目で見られます。

3年生くらいになると、大便をすると ばい菌扱いされるので個室に並ぶようなことは皆無となります。
自分の家まで我慢するため、便意を感じてからの授業は拷問のようでした。
どうしても駄目なときは、休み時間でなく授業中に怒られるのを覚悟して先生に

「便所に行かしてください。」

と言って、誰もいない便所で用を済ませます。

ある時、運悪く授業中であったにもかかわらず個室で用を足していると同じ組の女子生徒が入ってきました。

「トントン」

とノックされるのですが、返事はできません。回りに空いた個室はたくさんありますが、律儀にも自分のクラス用の個室の前でがんばります。
2,3回ノック攻撃と 「早くしてよ」 等の催促を受け、意を決して個室から出ました。

その時、理由を付けて大便していた事実をごまかそうとあれこれ努力しましたが、便器の下には自分のものがコンモリ残っています。

次の休み時間に、

「おい、お前、うんこしたな」

とその日、一日、からかわれました。




  



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