昔 話


駄菓子屋の陰謀

 


  今から30年前、子供の憩いの場所に駄菓子屋がありました。現在、私達の町の駄菓子屋は最後の一軒が有るだけとなりました。

当時、1日のお小遣いが20円だった私は駄菓子屋に行って何品かの食べ物やおもちゃ、くじを楽しんでいました。
私の、ベスト5は、

 1位 ニッキ :ニッキの根っこ(2-5mm位)<食べ方:しゃぶる>
 2位 くじ   :1,2,3等は、豪華景品
 3位 甘い紙 :字のごとく、15X25cm位の紙に甘味料が付いている。これも、くじ形式で
           当たると赤色の甘い紙を貰える。<食べ方:しゃぶる>
 4位 ひも飴 :ひもの先に三角(円錐)型の飴が付いている。このひもが束ねてありその中の 
          一本を選ぶ。当たると普通より1.5倍大きな飴が付いたものが当たる。
          <食べ方:しゃぶる>
 5位 きな粉飴:今もあると思います。差し歯で食べると強力にくっついて差し歯がとれてしまったり
           するやつ。<食べ方:しゃぶる、噛む>

今思うと懐かしい思い出です。
これは幼少の頃、実際に駄菓子屋の裏事情を知ってしまった思い出です。
先ほど書きましたが、1日のお小遣いは20円なので豪遊は、できませんでしたが1年に一回、正月過ぎの場合は違います。軍資金をたんまりと持って、駄菓子屋に行きました。
最初は、軽く食べ物等を物色し、頃合いを見計らって”くじ”を始めました。
全財産を投入し、豪華賞品を全て自分のものにするべく10円払っては1枚、10円払っては1枚を
繰り返しました。
しかしおかしい、くじは後少しなのに1,2,3等がなかなか当たらない。よく見ると、くじの数より景品の数の方が多く見える。だが、豪華賞品の目がくらみ、物量作戦実行し全くじを買い占めればかならずGETできると信じて最後の1枚までくじを買いました。

だがおかしい、1,2,3等は、まだあるのに、最後の1枚は、末等の景品を示している。
最後の1枚を、店のおばさんに渡し驚愕している私に末等の景品を渡し、素早く私の前から1,2,3等の景品が入ったくじの箱はおばさんの手によってしまわれました
しょんぼりして帰ろうとする私におばさんは、「これ持っていっていいよ」といいました。私は、「当たり前だよな。こんだけ金を使っているんだから1等の景品をくれるよな」と心の中で思い、笑顔で振り向きました。が、もらったのは、末等より1ランク上の景品でした。

”くじ”とは、この様なものなんだ。今後一切、この駄菓子屋には来ないと心に誓い帰路に。

あの、1,2,3等は、どのように処理されるのだろう。今でも謎です。


 



  



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