昔 話



ヒヨコ

2000/05/31 


祭りや町のイベントが有ると町のメイン通りに夜店(出店)が沢山出店します。

テキ屋のお兄さんやお姉さんの威勢の言い掛け声は今も昔も変わりません。

祭りなどの時は、町内のイベントを終えると近所の子供達と夜店の有るところに行きます。
数少ない年中行事のメインイベントです。

綿飴、お面、ハッカパイプなど、この時はお小遣いも多く貰っているので豪遊出来ます。
その中でも子供達がひしめき合う店があります。

その人込みを分け入り何事かと見ると宝石のような(この様に見えました。)色とりどりのヒヨコがたくさんいます。
赤、青、緑など1X2m位の箱の中に色とりどりのヒヨコがひしめき合っています。

「なんて綺麗なんだ。なんて珍しいんだ。」

友達と大発見をした様に全色の種類のヒヨコを購入しました。
餌付きでした。
なんて律儀なテキ屋のおじさんと思ったことか。

みんなで色々想像を巡らします。

「赤のヒヨコは赤い鶏になって赤い卵をうむのかなぁ」
「白身ももしかしたら、赤身かも知れないぞ」

などとわくわくして家に帰りました。

「こんなもの買ってきて、面倒見なさいよ。」

と母親の冷たいまなざしも気にならず、気持ちは盛り上がっています。
家に着くとこの貴重なヒヨコを外で飼うなど考えられません。
段ボール箱に入れて大事に自分の部屋で育てます。

次の日は、同じ様にその宝物を買った話で持ちきりです。

本当に大事に育てました。1週間は。

1週間を過ぎた頃から羽根、羽毛の生え際から黄色い普通のヒヨコと同じ色のものが出てきました。
少し不審に思いましたが、その愛らしさに疑問は有りません。

そして日を追う毎に赤、青、緑の羽根の色は黄色変化しヒヨコ自身も大きく成長して立派な普通の若鶏になりました。

結局、ヒヨコに絵の具の様なもので着色しただけだったんですね。
子供心にも、

”詐欺だ”

と思いました。

最近は、動物愛護の観点からか?
または、この様な子供だまし(子供相手ですが)の様な商品は通用しないのかは分かりませんが、夜店に行っても購入することは出来ません。







  



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