昔 話



百科事典

2000/04/18 


大抵、どこの家にも有りました。

当時のステータスですかね。20冊ぐらいが1セットになっていました。

その頃は、セールスマンが売りに来ていました。
言葉巧みに心をくすぐるような甘い言葉で説得された親父達は、最終的には購入を決意しました。

契約後最初の1冊と専用の本棚が届けられました。
最初は、”がらーん”とした本棚に1冊だけのの百科事典が寂しそうでした。

その後、1ヶ月に1冊づつ届けられ、だんだんとその風格を現してきました。
1年半から2年の歳月をかけ本棚にびっしりと詰まった百科事典達はちょっとした威圧感を子供達に与えていました。

”原色○○大百科事典”、”原色”と言うのが良いですよね。
当時は、写真仕立てや色彩豊かな色を使った本は珍しかったんですね。
1ページの厚さも1.5mm位ありました。

専用の本棚に綺麗に並べられた百科事典は子供心に、

「汚したら、怒られる。」

という厳格なものを感じていました。今でもその思いは色濃く残っています。

自分1人で見るよりも、家族揃って親父が真ん中になって観ていました。
中は写真やどぎつい色の絵がページの1面を締め、蝶々やら熱帯魚などを観ながら、

「スゲーッ」

とか言って興奮していました。

しかし、ページの操作権は親父にあったので観たい場所を自由に観たり探したりすることは余りできませんでした。





  



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